「秘密の部屋」
2009年8月に制作。
F30号 ミクストメディア
撮影とpc処理と絵画技法といった流れで作られている過程が、それぞれが入力、スーパーフラット、出力に対応しており分立した3構造になっている。内容の方は一旦取り込むデータ化により数多的可能のイメージ世界に働きかけるのと同時に、1回性のペインティングが相互に入り混じり多現実の生となった絵となるのだが、これはもともとは印刷物で出来ているため、紙面上の事柄からすべてがはじまる前論理となり、メタ・フィクションとなる。そして実際に目に写るもの、一見した絵の印象からうかがえるものは、感じるものは私小説的なモチーフとした表現形式。これらを合わせると、総じて、個人の心境図が常に低度メタ化している異種リアリズム間で闘争しているものの姿となる。確定筆記とのあいだで決して折り合ったりしない、異なる作用をする偶然の生となる側のほうが、人のほうがむしろ逆に擬似的な機械のように義体となり自動的になりたいと望む一種のアンドロイド・バグだ。
[2回]
PR