今のリアリズムを簡単に紹介しよう。
大塚英志氏が卓見した物語消費論とは変わり続ける消費文化のひとつの傾向のことだ。
主に漫画やアニメやキャラクターカードやキャラクターロゴなどの背景にはあらかじめ、細かな人間関係や勢力図などを盛り込んだ設定を積み立てておく。
前もって用意された設定や世界観を、まるごと売ることができないため、物語を切り崩し、アニメなら一話ずつ、カードなら一枚に少しのエピソードを表記するなどで、
大きな物語の全容を知るまでにはたくさんのエピソードを通らなければならない。
こうした物語消費とは結果的に多視点のレジメになってしまうのだ。
一枚の画面に1人描いて1セット、それを10セット作っていくやり方とううわけだ。
リアリズムについて大まかにいえば、
絵画などは複製は無価値であり完全オリジナルな物語消費。
他方、データ入稿を必須としたおかげでメディアミックスが容易となった漫画やイラストやアニメなどは、オリジナル作と二次創作との区別がなくなり、オリジナル/コピーの両者の価値が均質化したものとなる。
自然主義的リアリズムとは異なりあらたなマンガ・アニメ的リアリズムが生まれたということになる。
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