「尋常中学に転校してきた、
星衛外交官たちの出来事―」
2012
F100号 1620mm × 1303mm
油彩 アクリル ニス プリント Photoshop Illustrator
Clip Paint Lab
未来から、過去から、異なる銀河から、異なる時空から
超能力を持った少女などの設定を与えた5人の少女を書き下ろし、
同じ画像のコピペや、サンプリングで編集されたキャラ解体的な切り口で
望んだ本作。
現代では闘争の役割や根拠をすでに失った
シュミレーショニズムの残骸となるように構成した。
今後も継続的にシリーズ化していくが、
今回がキャラものではこれがスタートとなる。
こうした撹乱的な増殖する巨視イメージとなり、
実に目で見ても捕らえがたい構成となった経緯は
他のもう一点の作品「Elixer」(*下記)
と同様のコンセプトとしているためだ。
、
大きな真っ白いキャンパスなどを前にして
筆と絵具で描くものを考える、
まず大前提にいつもそんな制作の日々の中にいて、
必要不可欠なテーマとして壁となったのが
常々デジタル畑のブラシツールが描き出す
極めて美しいカラー表現などの再現であった。
「レイヤー効果の乗算」の手法を使い色の深みや、
「グラデーション」を乗算することが
キャンパス上でプリントを使ってできるようになり、
「デジタルの塗り」の少女キャラを、
今後も絵画の中に大量投入していく。
「Elixer」
2011
F100号 1620mm × 1303mm
油彩 アクリル ニス プリント Photoshop Illustrator
このエリクサーという作品は
画像が多量にコラージュされて
イメージの錬金といった意味合いを持った作風では、
最初の作品となる。
群生生物のような塊に見えるような表現をとり
アーサー・ケストラーのホロン構造のように
微小な画像ファイルの断片を集める中での
巨視的な地点からの捉えなおしでもあった。
こうした視覚イメージの建造物となった本作品は
構成が多視点で一見しても感じにくいとところがあるが、
それは短所ではなくむしろそれこそが巨視化へ込めた想いとなっている。
ビットマップなどの画像は、
プリントしたあとはもうそれ以上、形は変化しないため、
確定した形状にたいして、
私自身が想像もつかないような造形イメージを見出すために、
反復行為として「プリントを貼りまくる」という手法をとった。
もし自分が感受することできる限界の量というのがあるのだとしたら
多量の集合画像によって、結果的に、
私が感じとれる閾値の外側にこの作品を追いやってしまう事となり、
そうした無意識状況下へ逸脱する行為として
この巨視的コラージュは次の作品にも展開することとなった。
他の絵画を続けていこうと思っている若者と同様に
私自身も日本で絵画を作る意味や立ち位置を持っていないところから始めた。
宙吊り状態なり自明性を失うなかで、どうしいて絵画をつくるのか
常に説明するようにしなければならないと考えている。
その中で今回の展覧会のメインとなった、
自己完結型の従来の絵画のような形式では、
真に自分が続けていくに足る絵画存在の自立を
見出すことはできないのではないか、
という想いが一層強固になった。
さまざまなジャンルとのコラボによって
社会の中にも影響を投じれる狙いの活動の方を、
もっと出して生きたい。
今回はF10号を2点しか出せず、
少なかったのが残念な点だ。
[2回]